本広克行監督流「映画祭のつくり方 2016」inさぬき映画祭

今月11日(木・祝)~21日(日)まで10日間に渡り香川県で開催されている“さぬき映画祭”。同映画祭は今回で第10回のメモリアルを迎えたが、3年前の2013年から同映画祭ディレクターとして、香川県出身で「踊る大捜査線」シリーズでお馴染みのヒットメイカー本広克行監督が就任。「映画の面白さを地元の人に伝えたい」という強い想いを頼りに、これまで作る経験しかしてこなかった本広監督が今度は映画を観てもらうため、暗中模索しながら周囲の関係者を巻き込みつつ、ひたむきに奮闘する。その様子を若き俊英・尾野慎太郎監督が3年に渡り密着したドキュメンタリー「映画祭のつくり方 2016」が13日(土)にさぬき映画祭会場の一つ、情報通信交流館 e-とぴあ・かがわで上映された。

本広克行監督と尾野慎太郎監督

同ドキュメンタリーは2013年から継続的に撮り続けられ、毎年同映画祭開催中に“最新編集版”を上映してきている。尾野監督が観客に「去年上映を観たという方どれくらいいらっしゃいますでしょうか」という質問に、ほぼ満席の客席から多数の手が上がり、これには本広監督と尾野監督も嬉しそうな表情。さらに今回は本広監督と尾野監督が作品を観ながらコメンタリーしていくということで上映がスタート。しかし、あまりのおもしろさに両監督も観客もついつい見入ってしまい、ほとんどコメントが出てこない、世にも奇妙なコメンタリー上映となった。

飯田監督と本広監督は先輩と後輩的間柄

その後の上映後トークショーのゲストに飯田譲治監督が登場。そもそも飯田監督と本広監督は90年代前半の伝説的深夜ドラマ「NIGHT HEAD」で共に仕事をした、言わば先輩と後輩的間柄。その仲のよさも相まって飯田監督は終始2人に対して辛口トークを展開。まずはドキュメンタリーの感想を聞かれると「1年目は本当にキラキラしてた本広(監督)が、徐々に政治的な世界に巻き込まれ、汚れていく様が本当によく分かる(笑)」という発言に対し、本広監督も「何かすべて見破られてますね!」と苦笑い。

飯田譲治監督が登場

さらに尾野監督に対しても「最初のうちは暗中模索でとにかくすべてを撮ってる感じがして面白いが、年を経るごとにこ慣れてきた感があって、あとあと編集しやすいものを想定しながら撮っている感じが出てしまっている。やっぱりドキュメンタリーは自分が考えていたことと全く違った予想外の展開になっていくところが面白いわけで、そういった偶然性に出会うためには効率的な撮影よりも無駄に回すことが重要なんだと思う」という発言に対し、今度は尾野監督が「そういうの出ちゃってますかね…」と苦笑い。

褒め言葉が飛び出し、本広監督と尾野監督も一安心の表情

ただしそんな辛口の飯田監督からも「正直、このドキュメンタリーの中で見せる本広(監督)の奮闘ぶりには泣けてきた。そういう本広(監督)の姿を余すところなくちゃんとドキュメンタリーとして押さえられている」と褒め言葉が飛び出し、本広監督と尾野監督も一安心の表情。その後は作品からやや脱線し、飯田監督がドキュメンタリーの題材としていま撮りたいと思っている題材のことなど、冗談半分本音半分?の爆笑トークが続いた。(動画はコチラ)

なお、今回上映された「映画祭のつくり方 2016」は日本映画専門チャンネルで3月21日(月・休)あさ10時よりテレビ初放送される。しかも放送版では現在絶賛開催中の“さぬき映画祭”舞台裏に尾野監督が密着している最新映像も加えた、まさに本広監督と映画祭の3年間の集大成的な内容になる予定。みなさま是非ご期待ください!

※第10回さぬき映画祭は今週末21日(日)まで開催中! 豪華俳優や監督がゲストに登壇予定ですので、近隣にお住まいの映画ファンのみなさまは是非足をお運びください。上映スケジュールなどの詳細は公式ホームページでご確認ください。
【取材・文/早蕨山葵】

2016年2月18日 配信